「ねー聞いてもいい?」
「…なに」
「なんで俺と寝たいとか言ったの?あれ、未だに意味わかってないんだけど」
そうだった。そのこと、話してなかったと今更に思い出した。何週間も前のことを頭で思い出して言葉にしながら、続ける。
「…病院行ったんだけど。それで、言われたんだよね。たった1人を見つけ出して、その人に声をかけて起こしてもらえば、自分でしか起きれない私は、眠りから覚められる。そういう、治ることない病気だったらしい」
他にもこの病気の患者がいること、やけくそになって朝くんにそう言ってしまったこと、全てを話した。
「…8億人ぶんの、1人だって。私を起こせるの」
朝くんは黙って聞いていた。どんな顔をしているのかもなんだか、怖くて見れなかった。
「なにそれだよねほんと。人って、どんな人なのかもわかんないし、色々いすぎだし」
気にしてなさそうに、軽い口調で笑い混じりに言った。


