まどろみ3秒前


「…どんだけ自分を誉めてやらないでいんの?そんなことないでしょ」

「え、いや、そんなこと、あるけど。朝くんのおかげで、私は何にもしてないし」

「翠さんが一生懸命頑張ったから、100点なんてすごいものとれたんでしょ?俺は、まじなーんにもしてないから」


なんだよ。俺がいるから100は余裕だとか言って、私のハードル上げたくせに。でも、それを本当にしたのは、朝くんのおかげだった。


「んー、でも副教科で38点のやつあんだけど。なにこれ、補習必要なんじゃない」


テストを見る朝くんに、うっ…という表情が思わず出来上がってしまった。


「ふふ。そんな顔すんなって」


どこか嬉しそうに笑いながら彼は言った。


「ほんと、ありがと。これで一生100点とれたって言える人生になりました。100点って結構すごいし…私がほんとに100点か…」


あの緊張や、頑張ったことが報われたことが、今やっと実感できて嬉しくなった。

どうでもよくない。

何かに挑戦してやって、一生懸命になれば、自分ならできる、と自信がつけるし、頑張る自分を少しでも好きになれる気がした。

そんな当たり前に、今更、気付けた。

もし無理だったとしても、私は挑戦してやった。そんな自分は、誉めてやってもいいかもしれない。