眠れないことはあったが、睡魔は襲ってくる。流石の私でもちゃんと寝るし徹夜は経験がない。やったことがないから、自分の体は睡魔に勝てるのかどうかがわからない。
「俺は全然余裕だけど」
「…へぇ」
「じゃー頷いてくれたし、強制的に朝まで起きてね?絶対夜寝るとかしちゃだめだから」
「…まあこんな1週間も寝た私によく、言えますよね?寝ちゃったらまた何日も眠っちゃうだろうし」
「…ふふ。まあその時は、川に溺れさせて俺が一緒に死んであげる」
冗談なのか本気なのかわからないような笑みを浮かべていた。川を見つめる朝くんは、触れれば壊れてしまいそうな、横顔に見えた。
「…あ、そうテスト」
「ん、あー!!忘れてた」
私は手提げカバンからさっとテスト用紙を取り出した。私の取るスピードに驚いたのか、彼は「はや」とだけ呟いていた。


