体は重く、息苦しさもあった。頭も痛いし、なんだか喉も痛い。風邪?熱でも、あるのだろうか。
眠ったときのことは、全く記憶になかった。
私、一体どれくらい眠って…
なんだか言えなくて言葉に詰まっていると、それを察したのか、お母さんの口が開いた。
「っ翠、あのね、翠が眠ってからね、」
お母さんの深呼吸で、次に来るであろう衝撃に構えた。
「1週間経ったのよ…」
「……え、なんて?」
聞き間違いかと思い聞き返した。すると、お母さんの頬にもっとシワが寄っていく。
そんなお母さんを見ていられなくなって、私は聞き返すのを後悔し、黙って下を向いた。
「翠は、1週間も目覚めなかった。どんなに声をかけても雑巾の水をぶっかけてもね…何しても、翠の瞼は開かなかったよ……」
「ごめん、ごめんお母さん」
そう言うしかなかった。出来るだけ安心してもらえるように笑みを心がけた。
「でも、よかった。翠が起きてくれて、本当に、よかった…」
よかった、と何度も繰り返し、お母さんの目からは一筋の涙が流れ落ちていった。
私は、1週間、7日間もの時間眠っていた。
こんなに長く眠ることは、初めてだった。
眠る間は、汗も出ず排便もなく食べ物もいらない。体の成長が止まることもないらしく、絶対に死ぬことはない。
正体不明の病気といえど、そこまで危険なものではないと医者はお母さんに話していた。


