―はっと目が覚めた。視界は、見慣れた真っ白な天井。私は、今日も自分で起きた。
上半身をゆっくりと起こし、しばらく部屋をぼーっと見渡していた。
雨の音がする。
雨が、降っているのだろうか。
壁に掛けたカレンダーを見やる。
最近、過ぎていった日に印をつけていくようにしたのだ。起きる度に斜め線で印を付けていき、今を頭で追い付けるようにするため。
ペンを構えようと手を伸ばすが、今は一体いつなのかがわからなくて、書けない。
眠ってから次の日ではないことは、感覚的に私にもわかっていた。
―ガチャ
「おかあ、さん…」
見慣れた顔を見た瞬間、とても安心した。ちゃんと、私が知るお母さんはいる。
眠った時から老けてもなく、少し髪を切った程度で、どこか新鮮な雰囲気もあった。
「ああ…翠…起きたんだね…いっぱい寝ちゃって…もうほんとに…」
お母さんは、私を見た瞬間に、保っていた笑顔が崩れていくように、顔にはシワが寄り、私を心配の表情で見つめていた。
私に駆け寄ってきて、大丈夫かと体の心配をしてくれる。


