まどろみ3秒前


―はっと目が覚めた。視界は、見慣れた真っ白な天井。私は、今日も自分で起きた。

上半身をゆっくりと起こし、しばらく部屋をぼーっと見渡していた。


雨の音がする。

雨が、降っているのだろうか。


壁に掛けたカレンダーを見やる。

最近、過ぎていった日に印をつけていくようにしたのだ。起きる度に斜め線で印を付けていき、今を頭で追い付けるようにするため。

ペンを構えようと手を伸ばすが、今は一体いつなのかがわからなくて、書けない。

眠ってから次の日ではないことは、感覚的に私にもわかっていた。


―ガチャ


「おかあ、さん…」


見慣れた顔を見た瞬間、とても安心した。ちゃんと、私が知るお母さんはいる。

眠った時から老けてもなく、少し髪を切った程度で、どこか新鮮な雰囲気もあった。


「ああ…翠…起きたんだね…いっぱい寝ちゃって…もうほんとに…」


お母さんは、私を見た瞬間に、保っていた笑顔が崩れていくように、顔にはシワが寄り、私を心配の表情で見つめていた。

私に駆け寄ってきて、大丈夫かと体の心配をしてくれる。