『そう。…俺も寝れなかった』
「…そうなんだ」
一緒だ、なんて言おうとしたけど、やめた。そんなことを言う自分が気持ち悪かった。
『俺に電話、かけてくれたの?』
言葉に詰まっていると、「ふふ」と笑われてしまった。
『まさか翠さんが俺に電話してくれるとか。それも深夜に?これ脈あり?やば』
「ち、違います。…はは。ほんとごめん。迷惑なのもわかってやったし…ごめんなさい」
『いや、別に翠さんなら迷惑じゃないから大丈夫だけど』
「……どうも」
翠さんならってどういう…と考えようとしたけど、やめておいた。
「…なんか、嫌な予感して怖くて。震えが止まらなくて、さっきもスマホ落としちゃって」
『震えか。大丈夫?』
「…うん。…朝くんも、寝れないの?」
すると、返答がなくなる。ちゃんと通話中にはなっていることを確認して返事を待った。
『…俺も、寝れないよ』
とても、寂しそうだった。聞いてはいけなかったのかと後悔した。確かに、寝れない事情を聞いてどうするんだろう。最低だ、私は。


