まどろみ3秒前


『そう。…俺も寝れなかった』

「…そうなんだ」


一緒だ、なんて言おうとしたけど、やめた。そんなことを言う自分が気持ち悪かった。


『俺に電話、かけてくれたの?』


言葉に詰まっていると、「ふふ」と笑われてしまった。


『まさか翠さんが俺に電話してくれるとか。それも深夜に?これ脈あり?やば』

「ち、違います。…はは。ほんとごめん。迷惑なのもわかってやったし…ごめんなさい」

『いや、別に翠さんなら迷惑じゃないから大丈夫だけど』

「……どうも」


翠さんならってどういう…と考えようとしたけど、やめておいた。


「…なんか、嫌な予感して怖くて。震えが止まらなくて、さっきもスマホ落としちゃって」

『震えか。大丈夫?』

「…うん。…朝くんも、寝れないの?」


すると、返答がなくなる。ちゃんと通話中にはなっていることを確認して返事を待った。


『…俺も、寝れないよ』


とても、寂しそうだった。聞いてはいけなかったのかと後悔した。確かに、寝れない事情を聞いてどうするんだろう。最低だ、私は。