まどろみ3秒前


いつもは眠れない、なんてことはなくて、すぐに眠りに落ちることができていた。なのに、今夜は息苦しくて眠れずにいた。目を瞑っても真っ暗な視界があるだけ。

今の時間を見れば見ると、早く寝なければと思って眠れなくなっていく。もうすでに、日付は変わって真夜中だった。


…夜が、怖い。


多少の怖さは感じたことはあったけれど、こんなにも怖くなることは初めてだった。胸が苦しく震えが止まらなくて、不安が私を襲っていく。

夜の暗闇が怖い。明日が怖い。朝が怖い。

嬉しかったり楽しかったりの感情が現れると、明日への不安が高まって苦しくなる。


感情なんてなんで感じちゃったんだろう…ずっと笑みを貼り付けて感じないようにしてたのに…ほんと、あいつのせいで……


―ピンポンパンポン、ピンポンパンポン…


私のスマホから、特殊な電話音が鳴る。

この電話音は、掛かってきたわけじゃない。私が、震える手で自ら掛けたのだ。

でないのはわかっている。夜に迷惑なのもわかっている。真夜中に電話かけるとか、私が気持ち悪い奴だってことは、わかってる。


これは、心と体のためだった。落ち着く気がしたんだ。声を聞けば。優しく笑う彼を思い出すだけで、少し落ち着いたから。