まどろみ3秒前


心までもが、恐ろしく不安に襲われていく。

体も心も、まるで重い鉛がついた鎖で締め付けられてるみたいだった。


その時、私の扉がノックされた音がした。ノックはしているくせして、誰かは私の返事を聞かずに部屋に入ってきた。

真っ暗な部屋だったのに、廊下から来る明るい光が心底嫌に感じた。


「翠、大丈夫?なんか顔色悪かったから」

「だいじょーぶ。ちょっと寝るねー」


平気なふりをして、私は顔が見えないように、ベッドに潜り込んだ。

今はもう笑みも浮かべなくなっていて、平気なふりをしていた自分が作れなくなっていきそうで。お母さんとは、話したくなかった。


「テストだったのよね。お疲れ様」

「…うん」

「おやすみ、また明日ね」


静かに扉を閉める音がした。

朝くんとお母さんに、同じことを言われてしまうなんて。明日なんかあるかもわからないのに、どうしてそんなこと言えるんだろう。