まどろみ3秒前


私は黙って口を紡ぐことしかできなかった。


―どうして、あなたは夜が嫌いなの…?

知りたい。やっぱり私はあなたを知りたい。


でも私は、知れるほどの分際で知れるほどの関係なのだろうか。友達でもない、恋人でもない、クラスメイトでもない。

私にはわからない。知らない方がいいのか、知った方がいいのか。


「…朝くん、」


私は、笑みを浮かべて言った。


「おやすみ、また明日」


その言葉があるだけで、今は十分だった。

朝くんは、しばらく私をじっと見つめてから優しく微笑んで言った。


「翠さん、おやすみ」


 





―なんなんだろう。

息はしているのに、とても息苦しく感じた。胸に手を当てると、ドクドク、と心臓の音が大きく強く鳴っていた。


「怖い……」


家に着き、ご飯やお風呂、歯磨きを素早く済ませて、夜、私はぬいぐるみをぎゅっと抱いて、布団にくるまっていた。


「苦しい……」


まるで、溺れているみたいだった。

体が酸素を追い求めている。足掻いても足掻いても、体が沈んでいくみたい。

ちゃんと意識して、息を吸って吐いてを繰り返しているのにとても息苦しかった。体全身が、小刻みに震えている。

熱は35度台で、低いほどだった。私には、これは何日も眠りに落ちる、と知らせる体のアラームのようなものに感じた。