まどろみ3秒前


お母さんは、勉強に励む私を見てほっとしているようだった。だからこそ、テストの点数で私が喜んでいるのを見て、お母さんも笑顔になる。そんな理想があった。そのためにも。


「よし、今日か…」


教室の席に着いた。単語を開いたり教科書を開く。今までの努力が詰まっている、自分で作ったまとめノートを開く。

思えば、そうだ。テストで5点を取ったところを朝くんに見られてからだった。勉強を教えてもらい、100点を目標として頑張っていた。

正直、高校入試と同じくらい、今の私は緊張していた。なんでこんなただのテストで緊張してるんだろう…と改めて思った。

ひーひーっと出産のときのような呼吸しかできなくなったとき、スマホが鳴った。


『別に100点じゃなくていいからがんばれ』


なにそれ。やっぱり100点は無理だって思ってんのかあいつは。ほんとむかつく。

本当は、私のことを心配してくれてるんだろう。あんまりプレッシャーにならないように。


『大丈夫。やってやるよありがとう』


強気なことを送ってしまったがそんなことはどうだっていい。スマホの通知をオフにして、スマホを鞄になおした。