まどろみ3秒前


口調でわかる。どれだけ東花と親しく、仲のよかったかが。


「目が変わった」

「…」

「今のあいつを、俺は知らない。別に危害とか加えないだろうけど、何しでかすかわかんない奴だ。……なんでお前はあいつに興味もたれてんのか知らないけど、俺は翠のことを心配してて」

「ありがと。でも大丈夫。いい人だから」


私は、朝くんのように優しく微笑んだ。

彼がどれだけ目の奥が変わっても、私は彼に対しての印象も態度も変わらない。だって、いい人だから。

彼は、いつだって私のほしい言葉を言ってくれる。とても、優しい人。朝くんにどんな過去を持っていても、私にはどうでもいい。

東花と幼なじみだったことは少し驚いたが。東花って知ってる?とまた聞いてみてもいいかもしれない。

東花は、私が迷子になったとき、本当は私が朝くんの家へ向かっていることに気付いていて、朝くんの家の近くを誘導してくれたんじゃないのか、なんて今なら考えられる。


でも、あまり人に興味無さそうな東花が、心配してくれるほどなんて…


―キーンコーンカーンコーン…

チャイムが鳴った。