「最近、学校来てるよな?」

「な?寝坊克服したんじゃね?」


ははは、と笑われている。笑われても仕方がない。私はそういう、人間だし。


―変わってないな、この状況。


中学生の頃。高校生となった今まで以上に私は、皆からも白い目で見られ嫌われていた。


「なあ、また天塔さんが男子と保健室のベッドにいたらしいよ?」

「ぷはは。なにそれ、きもー」

「まじ死ねあんなゴミ」


やってもない気持ち悪い噂話を陰でされていたことも、私は知っていた。聞かないでおこうと思うと、耳に入ってあえて残りやすくなる。


ただ、別に傷つかなかった。ゴミとか言い過ぎだろお前らがゴミだ、と自分に言い聞かせていたから、何も本当に、その悪口を自分に受け止めることはなかった。

友達もちゃんといたし、今日も「寝坊しちゃったー」と笑えていた。皆からも笑われて、面白くいじられキャラだったと思う。

一部の人には陰口を言われたりしたけれど、当の本人の私はなんともなかった。