「花染わかるか?」

「え?」

「あたかもの意味」

ーー覚えてる。

『えー…』

『ギブ?』

『…ギブ』

『じゃー中川は?』

『まるでとかちょうどとか』

『おー正解』

正確には、当時当てられたときは知る訳ないじゃんと思ってたけど、あの正解が出た時にこちらを向いてSっ気な顔をしていた先生をみてやけに腹がたったのを覚えていたから。

「まるで、ちょうど」

「おー正解」

だから今は答えられた。

そういえば忘れてたけど、当壮馬にしては長すぎじゃない?

短い描写が沢山よぎるイメージなんだけど。

そう考えると夢か。

目を覚ましてしまえばまた色々悩まないといけなくなると思ったので、しばらくこうして授業を受けようと思い、板書をしようとして、気づいた。

今日が2030年9月9日午前9時5分だと言う事に。

私が高校で倒れたのは1月9日の9時だったから、倒れたタイミングでこの夢に入ったのではないかと思ったけど、時間がほぼ同じなのはたまたまだろうとそのまで気にしなかった。

ついでに言うとキリが悪いからどうせなら1月9日午前9時にしてほしいと思ったけど。

ーーキーンコーンカーンコーン

「じゃー号令お願いします」

「起立、礼」

「ありがとーございましたー」

ぼそぼそとバラバラな挨拶が聞こえて中学生らしいなとかわいく思えた。

実際言うほど高校と変わらなかったけど。