小学校低学年の時に行った定期検診で「右目の視力が完全に無くなっている」と言われた。

私は右目の視力が無くなってもあまり変わらない目の前の景色に(ほんとに視力が無くなってるの?)と最初は思った。

けど、見えている左目をそっと閉じれば目の前に広がるのは真っ暗な世界

その世界を見た時(あぁ、ほんとに右目見えなくなっちゃったんだ)と少し悲しくなった。

その一方で、片目の視力を失っても右半分が認識できなくなるとかはなくて左目だけでも十分に周りを見渡せることに関心もした。

右目が見えなくなってから体育(主に球技)には参加できなくなった。

周りを見渡すことはできるし、授業を受けることも普通にできた。

けどやっぱり片目しか見えていないといまいち距離感が掴めなくてノートを書くことは最近は慣れてきたからできるけど球技などをする体育に参加するのは少し難しかった。

まぁ参加出来ることが少し減っちゃったけど無事に小学校生活も終わり、普通の中学校に進級したんだけど…。

大変なのはここからだった

中学生になって私は右目が見えていないということは担任の先生と校長先生にしか伝えなかった。

クラスのみんなに伝えないでいれば差別されたりいじめられることも無く普通に生活できると思ったから。

だけど、中学生になっても体育だけは参加せずにいた私を見てクラスのみんなは

「東雲さんってなんで体育だけ参加してないの?」

「体育めんどくさいからでしょ」

「何それずる〜い」

「なんで東雲さんだけいつも見学許されるの〜?」

「私だって体育やりたくないのに」

って陰でコソコソ言い始めた。

そこから陰口はエスカレートしていって、とうとう私はクラスの輪に入れなくなった。
担任の先生からは「正直に自分の障害のこと言ったらどうだ」って何度も言われたけど言ったらもっと何か言われそうで怖くて言えなかった。

私はクラスの輪に入れないまま、はぶかれたまま中学1年生を終えた。

2年生に進級した時、私は(障害のことちゃんと言ったらみんなと仲良くできる)とそう決心し、去年のように仲間はずれにされないように最初の自己紹介で全てを伝えた。

だけど、去年恐れていた通り障害者とは友達になれないとやっぱり仲間はずれにされてしまった。