【短】夕陽の記憶

どう説明していいか。私は戸惑いながら首を横に振って「なんでもない」と答えた。華ちゃんはちょっと怪しんでいるのか目を細めて私たちを交互に目線を送る。


「華」


しばらくすると、小野寺くんが華ちゃんのことを迎え来た。駆け足で彼のもとに行った華ちゃんは私たちに手を大きく振って帰って行った。


華ちゃん、幸せそうだな。いつか、私もあんな風に夢中になるほど好きな人ができる日がくるのかな?


「俺たちも行こうか」


「…うん」


それから図書館まで一言も話すことはなかった。勉強を始めると何事も無かったかのようにお互い話せた。


妙に距離を感じる会話が続いた。


目すら合わない。勉強に関しては分かりやすくて捗っている。

けどーー