私は今、冷静でいられているだろうか。こうして話している間も鼓動がうるさく鳴っている。


「今日も図書館行くの?」


「うん。テスト近いから少しでもやろうかなって」


「なら俺も行っていい?一緒にやろう」


「いいの!?嬉しい。また樋口くんと勉強出来たらなって思ってたから」


思わず出た言葉に驚いて、慌てて口に手を当てた。本音とはいえ、昨日知り合った人に対してストレートすぎる。


「うん。俺も、同じこと思ってた」


樋口くんは私と同じように口元を隠して斜め横を向いていた。お互いの耳はりんごよりも赤くなってしまい、次の言葉が出ないまま黙り込んでしまった。


次に声を発したのは友達の華ちゃんが声をかけてきた時だった。


「胡桃〜委員会終わったの?」


「は、華ちゃん!!」


「あれれ?樋口くんもいる。同じ委員会だったんだ。ねぇねぇ、2人で何話してたの?」