3月で卒業する先輩たちのために何かサプライズをするのがこの高校の伝統行事。この日は各クラスの代表者が集まって話し合いが行われていた。


「ではアンケートは次の委員会の日までとします。以上解散」


いくつかのアイディアをまとめて後日、各クラスでアンケートを取ることになった。


「水瀬さん」


「樋口くん!一緒だったんだね。気づかなかったよ」


「俺、後ろの方にいたから。良かった水瀬さんがいて。誰も知り合い居なくて退屈してたんだ」


「私も。各クラス1人だから友達と一緒に出来なくて寂しかったところ。でも樋口くんがいて、とても心強いよ」


ふと昨日の出来事を思い出した。あの夕陽の中、樋口くんの大きな手が私の頭に触れて、そしたらもう彼しか見れなくなっていた。