学年末テストの日がやってきた。


いつも以上の緊張が走り、シャープを持つ手の震えが止まらない。あれだけ勉強してきたことが頭からはなれていきそうだ。


樋口くんと沢山頑張ってきたのに、無駄になるの?ここでダメなら話すことはおろか、告白だって成功することは叶わない。


「胡桃大丈夫?」

「華ちゃん。緊張しちゃって。テスト受けられる自信が無いんだ」

「大丈夫。胡桃なら出来る。今日のために頑張ってきたんでしょ?」

「そうだけど…」


励ましてくれる友だちの声でも緊張はほぐれることがなかった。すると、スマホの通知音がなり、確認するとそれは樋口くんからのメッセージだった。


何だろう?


試験開始前に慌てて見てみるとそこには『お互い頑張ろう』。そう書かれていた。


そのメッセージのおかけで一気に緊張がほぐれた私はスマホを胸に抱えて「ありがとう」と呟いた。


試験時間になり、開始の合図と共に答案用紙に一通り目を通す。分かる問題から解いていき、残りの問題も着々と埋めていった。


残りの教科もその調子で解いていき、五教科全てのテストを終えた。


やれることは全てやった。課題だったケアレスミスも見直しも。あと私がやるべきことは、樋口くんと向き合うことだ。