【短】夕陽の記憶

気になる人だから内面を知りたいって思うのは普通のことだと思っていた。だけど、樋口くんにとって内面を見られるのはとても大切なことなんだ。


私も最初は外面しか見てなかった。容姿が綺麗、勉強ができる。その考えは会話を重ねるごとに変化をもたらした。

冷静で話し方は丁寧、一生懸命に物事を頑張っていて、友だちのことを真剣に叱れる人思いの一面。


「胡桃は樋口くんとどうしたい?」

「私は…話したい。それで、もっと知りたい。樋口くんのことを…!」

「水瀬さんなら樋口のことを大切にしてくれそうだな」

「うん。胡桃、行っておいで。樋口くんのところに」

「華ちゃん、小野寺くん。話聞いてくれてありがとう。行ってくる」


駆け出した瞬間、華ちゃんに呼ばれて後ろを振りかえった。そしたら「頑張って」と声援をして私を見送ってくれた。