学年末テスト前の自習時間。私は樋口くんが作ってくれたノートをパラパラとめくって眺めていた。
ノートには間違った問題の解説やポイントの書き込みなど、これまで頑張ってきた跡が沢山ある。
樋口くんお手製のテスト問題も昨夜、取り組んだら全て全問正解。達成感は大きいはずなのに、嬉しくなかった。
出来なかった問題が解けるようになったらいつも彼が褒めてくれたのに、今はその声すら聞けないなんて寂しいよ。
あっという間に昼休み。食事に手をつけないでいると、華ちゃんが心配して声をかけてくれた。
「胡桃大丈夫?さっきから全然食べてないみたいだけど」
「食欲なくて…。ほら、テストも近いし。夜中まで勉強してたから昼夜逆転してるんだよきっと」
「目にはクマじゃなくて、赤い腫れた痕があるよ?」
「これは…ごめん。嘘ついた。本当は泣いて出来た痕なの」
心配させたくなくて誤魔化したけど、華ちゃんはいとも簡単に見抜いてしまった。嘘つくのに向いてないな、私。
「樋口くんと何かあったの?」
ズバリ当てられて胸がドキッとする。
「華ちゃんはやっぱり凄いや。そう、樋口くんとのことなのーー」
ノートには間違った問題の解説やポイントの書き込みなど、これまで頑張ってきた跡が沢山ある。
樋口くんお手製のテスト問題も昨夜、取り組んだら全て全問正解。達成感は大きいはずなのに、嬉しくなかった。
出来なかった問題が解けるようになったらいつも彼が褒めてくれたのに、今はその声すら聞けないなんて寂しいよ。
あっという間に昼休み。食事に手をつけないでいると、華ちゃんが心配して声をかけてくれた。
「胡桃大丈夫?さっきから全然食べてないみたいだけど」
「食欲なくて…。ほら、テストも近いし。夜中まで勉強してたから昼夜逆転してるんだよきっと」
「目にはクマじゃなくて、赤い腫れた痕があるよ?」
「これは…ごめん。嘘ついた。本当は泣いて出来た痕なの」
心配させたくなくて誤魔化したけど、華ちゃんはいとも簡単に見抜いてしまった。嘘つくのに向いてないな、私。
「樋口くんと何かあったの?」
ズバリ当てられて胸がドキッとする。
「華ちゃんはやっぱり凄いや。そう、樋口くんとのことなのーー」