水瀬(みなせ)さんだよね?俺の友達の彼女と仲がいい」


「あ!華ちゃんの彼氏さんの」


そういえばよく一緒にいたような。男子は少し苦手だからあまり覚えてなかった。


「そう。俺、7組の樋口(ひぐち)真央(まお)。よろしく」


「水瀬 胡桃(くるみ)です。こちらこそよろしくお願いします」


深々と頭を下げて挨拶をすると樋口くんは少し慌てていた。私の挨拶は少し大袈裟だったらしい。


それもそのはず。七組は進学コース。高学歴者が多いことで有名。普通コースの私にとっては雲の上の人なのだ。


「ごめんなさい」


「謝ることないよ。思った通り、水瀬さんって真面目だよね」


「そう、ですか?」


自分じゃそんな風に思ったことなかった。胸がくすぐったくなる。