付き合ってもないのに密着してるのは罪悪感を感じる。樋口くんことが好きな子が見たら嫌な気持ちになるだろう。私ならこんな状況を見たら耐えられない。


「水瀬さんにとって俺は友だちなんだ」


胸元にあった顔を上げると彼と目が合う。その目は悲しそうに私を見ていた。


「俺にとって水瀬さんは“友だちじゃないから”」


『もっと特別な』そんな言葉が聞こえた気がした。聞き返そうとした時にはもう、私の唇は彼によって塞がれていた。


そして、この日の出来事をきっかけに私たちの関係は終わりを告げる