【短】夕陽の記憶

「さっきから何を見ているんだ?あぁ、小野寺たちか。ケンカはしてなさそうだな」

「小野寺くん、話しかけられてもちゃんと断ってたよ」

「そっか。これで心配はしなくてよくなったな」

「樋口くん心配してたの?『反省しろ!』って怒ってたのに」

「そうだけど、やっぱり心配になるだろ?俺友だち少ないからアイツがいなくなったら困るんだ」


素直じゃないな。実はずっと心配してたの気づいてたんだよ。会話の中に1回は小野寺くんたちのことが持ち出されていた。

口では厳しいこと言ってても、やっぱり友だち思いなんだよね。


「あっ」

「樋口くんどうした…あ!」


改めて窓の方に視線をやると、華ちゃんと小野寺くんが重なっていて、それがまるでキスをしているように見えた。

確証はないとはいえ、そのような現場を目撃した私たちは反射で隠れてしまった。


今のってキス?だよね?図書館の勉強スペースは2階だから本当にそうだとは考えずらい。


「気まずいよな。友だちのあんなところ見て」

「う、うん。でも、してたって決まった訳じゃないから何とも。それでも気まずいね」


高校生だから彼氏とキスなんて当たり前みたいだけど、恋をしたことない私からしたら刺激が強くて沸騰しそうなくらい身体が熱い。