放課後の図書館は静けさに包まれていた。本を読む人や受験で勉強する人、何故か居眠りしている人。皆それぞれの時間を過ごしている。


そして私は期末テストの答案と睨めっこ中である…。


「やってしまった」


高校一年生の最後の期末で過去最低点を更新。春休み前には学年末テストを控えているので今からしっかりと勉強しようとここに来たけど。


なかなか頭に入らない。あまり時間が無いなか、つまづいている。


頼りにしていた友達の(はな)ちゃんは彼氏の小野寺(おのでら)くんとデート。バレンタイン前だもん。彼氏といたいよね。


「いいなぁ」


友達の羨ましさに思わず心の声が漏れてしまった。その声に反応して一人の男子生徒が声をかけてきた。


「大きなため息」


窓からの夕陽がちょうど差し込んできて、視界が一瞬遮られる。片手で光を隠してようやく彼の姿が見えた。