「ではまず手始めに、毒味ゲームをしてもらいます。」
「ここにはたくさんの料理がありますよね。
その料理を食べて、毒でなかったら毒味ゲーム成功です。」
「ではどうぞ!」
料理の下にはその料理の名前が丁寧な字で紙に書いてある。
でもなんだろう…名前に違和感が…
料理に異常はないみたいだが……
色も匂いもおかしいものではない。
一体何があるって言うんだ…?
『私、サンドクイッチにするわ。』
『俺はオムライスで…』
次々と料理を決めていく参加者たち。
毒が入っていない料理が取られる前に早く俺も料理を取らなければ…
「皆さん取ったみたいですね。どうぞお食べください!」
慎重に食器を口に運ぶ。
緊張で手が震える。
これでもし毒入りだったらどうしよう…
そんな緊迫感溢れる中、サンドイッチを食べた1人の女が、
大きな音を立て、倒れた。
いきなりのことに参加者全員はその女に目を向けた。
どうやら随分苦しんでいるらしい。
体を魚のように跳ねさせ、泡を吹いている。
「第一ゲーム終了!」
と大きな声で主催者。
「今回の犠牲者は1人のようですねぇ…ふむふむ。」
するとニヤリと不敵な笑みを浮かべたと思うと、
「さあ、みなさん、次はあなたの番かも知れませんよ…」
彼の分厚い唇から出た言葉には悪寒が止まらなかった。
それは他の参加者も同じだったようで、みんな震えている。まるで殺意に溢れているかのような…人をまるで人と見ていないかのような、他人事のように扱っているような…
まあそうだろう。人の命をデスゲームなんかでお粗末にしようとしている奴だ、そうでなきゃおかしいだろう。
一体彼は何を考えているのだろうか。
「みなさん専用の部屋があります。
今日はそこで寝ていてください。」
入った時に携帯を奪われたボディーガードマンに連れられ、俺たちはそれぞれの部屋に案内された。
携帯を没収された理由も今ならわかる。
俺は主催者のさっきの恐ろしい言葉を脳内で何回も繰り返しながら、眠りについた。
次はあなたの番…
俺の命がなくなってしまうのもそう遠くない未来なのかもしれないな…
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