目の前にある大きな豪邸。
あーあ、こんな古い服で来るんじゃなかったよ…
とある“ゲーム“に誘われ、俺はこうしてこの『菫邸』にやってきた。
ゴテゴテとしている訳ではないが、どこか高級感を感じられるような屋敷。
周りには美しい菫が狂い咲く。
まだ旬ではないはずにも関わらず、待っていたとばかりにそこに居る。
あたりには20〜30人程の参加者らしき人々。
一体なんだろう…
「ようこそお待ちしておりました!」
そこには小太りの中年男性が立っていた。
葉巻をふかしながらこちらへやってくる。
「さあ皆様。中へお入りください。」
言われるがまま入り、ボディーガードマンに服装チェックをされる。
その時に時計や携帯電話は没収された。
従われるままに屋敷内へと進む。
所々に花の紋様が書かれている。
亭主はよほど花が好きなのだろう。
「ようこそお越しくださいました!突然のことでしたが皆様お集まりのようで。」
「急に呼び出されてびっくりしたでしょう。これからこのゲームの説明をします。」
「皆様には…」
「“デスゲーム“をしていただきます!」
は?
デスゲームって…あれだろ?ドラマや映画でよく見る、人が死んでいく…
一億円の裏にはこんなことがあったのか、、、!
『おいふざけんじゃねえぞ!!!俺はこんなの聞いてな…』
バァン!
壁から出てきた銃の銃口から煙が出た。
その先にはさっきの男が倒れていた。
完全に意味を理解した。俺たちはここに監禁されたんだ。
「全く…逆らったら皆さんもこうなりますからね。
皆さん、帰るなら今ですよ、、、?笑」
もしかしたら死ぬかもしれない…こいつの気分次第で。
俺たちの命の決定権はすでにこいつに預けられた。
今なら大丈夫、死なないはず。
いやでも、、、この苦しい生活から抜け出せるなら…
命だってかけてみせる。
「ほう…誰も逃げない。」
「優秀ですね。では始めましょう。」
“デスゲーム“を。