しばらく歩くと、翔太がドアの前で立ち止まっているのが目に止まる。
「お、やっといらっしゃいましたか」
翔太は執事のようにそう言ってから、部屋のドアを開ける。
朱莉のトランクを自然に預かると、「どうぞ」と中に入るよう勧めてくる。
「…っ……何これ」
言葉にも出来ないほど綺麗だ。
お洒落な室内。白黒で纏われた大理石でできたキッチン。リビングにはガラス張りのテーブルと、高さがある木のテーブル。フカフカのソファーに、北欧のような柄のクッション。テレビも大きいし、なんてったって部屋数だってたくさんある。
「6部屋も…」
小声で話した言葉さえも翔太には筒抜けのようだ。
「すごいでしょ?ここまで揃えんの、大変だったんだよ。さ、これからお仕事よろしくね」
朱莉の肩を叩くと、翔太はトランクをある部屋まで運んでいく。
翔太に着いて行くと、そこには、水色で装飾されたベッド、壁紙、白色のデスクに時計、大きなクローゼット。緑と白と水色が相まったドライフラワーブーケなど、ロマンチックで可愛らしいものがいっぱいあった。
朱莉がじっと見つめていると、「入っておいでよ」と優しい声で言われる。
「はい、これ」
さらに翔太から手渡されたものはスマホにタブレットだ。全部、新型のものだ。
「こんなの貰えません…」
朱莉が押し付けるように返すと、翔太は少し寂しそうな顔をした。
(推しにそんな顔して欲しくない)
こんな顔をイケメンにされたら悪意たっぷりだし、推しにされるものなら、尊死確定だ。
「でもさ、せっかく準備したんだ…?」
大事そうにそれらを抱えると、翔太はしょげた顔をしてベッドに座り込む。
「あっ……ありがとう…ございます…」
(嬉しいプレゼントだったし、これ以上、推しを悲しませることはできない)
朱莉は自分の心に素直になって、プレゼントを受け取る。
「良かった、喜んでくれて。設定分かんないことあったら聞いてね。あ‼︎LOVE交換しよ?」
素早く進んでいく会話。
翔太は朱莉からスマホを取って、設定をし出す。ときどき、朱莉の指を置いたり、顔を見せたりもした。
「あ、そうだ。名前なんだっけ?」
キーボードを必死に押していた手を止めて、朱莉を見てくる。
(そう言えば、言っていなかったっけ)
小さく深呼吸をして、名前を口にする。
「えっと…南雲朱莉です!年齢は15歳、もうすぐで16歳。明日から高校一年生です。声優を目指していて、今日からここでお世話になる翔くんが大好きな人です!」
いらないことを言ってしまった、と口を手で塞ぐ朱莉だが、それももう遅い。
翔太が大きな声で笑っている。
「ぷ…あははは、面白いね、朱莉ってば。ありがとう、応援してくれて」
でも、嬉しいのか、ほんのり彼の頬が赤い。
笑いながらも設定を終えたらしく、朱莉の手の中にそっとスマホを置く。
「LOVEってアプリ探して開いて。出来たら言ってね。俺待ってるから」
翔太がスマホをポケットから取り出した。朱莉もホーム画面から必死にLOVEを探し出す。
「出来ました…‼︎」
アプリ内のQRコード画面を開いて、翔太にスマホ画面を向ける。
翔太は「よく出来ました」と言って、朱莉の頭を優しく撫でる。
「えへへ」
朱莉の間抜けな笑い声と共に、LOVEの着信音が鳴る。
「ありがとうございます。とても、嬉しいです」
朱莉はとても大事そうに優しくスマホを抱き締める。
「カバーもこれ使ってね」
紙袋に入ったプレゼントを翔太は朱莉に渡す。
(バイト探しアプリで、好きな色聞かれたのはこのためだったのかな)
未智が袋を開けると、思った通り未智の好きな薄紫色のカバーが2つ、それぞれスマホ用、タブレット用が入っている。
「ありがとうございます!」
未智は精一杯の笑顔で笑う。そして、新天地での生活のスタートを実感する。
(ここなら絶対、頑張ってやっていける)
未智は心からそう思った。
「お、やっといらっしゃいましたか」
翔太は執事のようにそう言ってから、部屋のドアを開ける。
朱莉のトランクを自然に預かると、「どうぞ」と中に入るよう勧めてくる。
「…っ……何これ」
言葉にも出来ないほど綺麗だ。
お洒落な室内。白黒で纏われた大理石でできたキッチン。リビングにはガラス張りのテーブルと、高さがある木のテーブル。フカフカのソファーに、北欧のような柄のクッション。テレビも大きいし、なんてったって部屋数だってたくさんある。
「6部屋も…」
小声で話した言葉さえも翔太には筒抜けのようだ。
「すごいでしょ?ここまで揃えんの、大変だったんだよ。さ、これからお仕事よろしくね」
朱莉の肩を叩くと、翔太はトランクをある部屋まで運んでいく。
翔太に着いて行くと、そこには、水色で装飾されたベッド、壁紙、白色のデスクに時計、大きなクローゼット。緑と白と水色が相まったドライフラワーブーケなど、ロマンチックで可愛らしいものがいっぱいあった。
朱莉がじっと見つめていると、「入っておいでよ」と優しい声で言われる。
「はい、これ」
さらに翔太から手渡されたものはスマホにタブレットだ。全部、新型のものだ。
「こんなの貰えません…」
朱莉が押し付けるように返すと、翔太は少し寂しそうな顔をした。
(推しにそんな顔して欲しくない)
こんな顔をイケメンにされたら悪意たっぷりだし、推しにされるものなら、尊死確定だ。
「でもさ、せっかく準備したんだ…?」
大事そうにそれらを抱えると、翔太はしょげた顔をしてベッドに座り込む。
「あっ……ありがとう…ございます…」
(嬉しいプレゼントだったし、これ以上、推しを悲しませることはできない)
朱莉は自分の心に素直になって、プレゼントを受け取る。
「良かった、喜んでくれて。設定分かんないことあったら聞いてね。あ‼︎LOVE交換しよ?」
素早く進んでいく会話。
翔太は朱莉からスマホを取って、設定をし出す。ときどき、朱莉の指を置いたり、顔を見せたりもした。
「あ、そうだ。名前なんだっけ?」
キーボードを必死に押していた手を止めて、朱莉を見てくる。
(そう言えば、言っていなかったっけ)
小さく深呼吸をして、名前を口にする。
「えっと…南雲朱莉です!年齢は15歳、もうすぐで16歳。明日から高校一年生です。声優を目指していて、今日からここでお世話になる翔くんが大好きな人です!」
いらないことを言ってしまった、と口を手で塞ぐ朱莉だが、それももう遅い。
翔太が大きな声で笑っている。
「ぷ…あははは、面白いね、朱莉ってば。ありがとう、応援してくれて」
でも、嬉しいのか、ほんのり彼の頬が赤い。
笑いながらも設定を終えたらしく、朱莉の手の中にそっとスマホを置く。
「LOVEってアプリ探して開いて。出来たら言ってね。俺待ってるから」
翔太がスマホをポケットから取り出した。朱莉もホーム画面から必死にLOVEを探し出す。
「出来ました…‼︎」
アプリ内のQRコード画面を開いて、翔太にスマホ画面を向ける。
翔太は「よく出来ました」と言って、朱莉の頭を優しく撫でる。
「えへへ」
朱莉の間抜けな笑い声と共に、LOVEの着信音が鳴る。
「ありがとうございます。とても、嬉しいです」
朱莉はとても大事そうに優しくスマホを抱き締める。
「カバーもこれ使ってね」
紙袋に入ったプレゼントを翔太は朱莉に渡す。
(バイト探しアプリで、好きな色聞かれたのはこのためだったのかな)
未智が袋を開けると、思った通り未智の好きな薄紫色のカバーが2つ、それぞれスマホ用、タブレット用が入っている。
「ありがとうございます!」
未智は精一杯の笑顔で笑う。そして、新天地での生活のスタートを実感する。
(ここなら絶対、頑張ってやっていける)
未智は心からそう思った。
