中条先輩、近すぎます。



と、背後からじゃり、と足音が聞こえて、ゆっくりと振り返る。

そうだ、ピンチな所を助けてもらったんだ…。

というか、今更だけど鬼相手に冷静に銃を撃っていたってことは…助けてくれた人は、防衛隊隊員なんだ…。

どんな人なんだろ…。


「……え?」


お礼を言おうと助けてくれたその人の姿を視界に捉え、思わず、声が漏れた。


その人は……私が通う誠城高校の制服を着ていたから。


まさか、学校に防衛隊隊員の人がいたなんて…知らなかった。


その人は、にっこりと笑顔を浮かべて、言った。


「始めまして。三年の中条李都です。」


「っ、始めまして…二年の鈴木彩葉です。」


中条、李都…まさか、朝女子達が言ってた、“三年のナカジョウセンパイ”って…。


この人?