中条先輩、近すぎます。



三年のナカジョウセンパイ…?


クラスにお喋りするような友達もいない私は、噂話にはあまり詳しくなかった。

その“ナカジョウセンパイ”とやらの噂とは何なのか、少し興味をひかれたので、女子達の会話に耳を傾ける。


「聞いた聞いた! バスケ部の先輩とバスケ対決して勝ったとか、五十メートル6秒台で走ったとか!運動神経良すぎでしょ!!」


「私も聞いた!あの物理のクソジジイに難問当てらて、あっさり答えちゃったらしいよ」

「やばいよね!!何より顔が良い!!」

「それなー!!」


……え、“ナカジョウセンパイ”、何者……??

女子達の会話を聞いてまず思ったのが、それだった。

いや、女子達の会話聞いてる限り運動も出来て頭も良くて顔も良いとか…。


相当モテるんだろうなぁ…。

なんて人事のように思った。

まぁ関わることもないし、実際人事なんだけど。



◇◆◇



1日はあっという間に終わり、帰る時間になった。