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そして、お昼休み。
「…ねぇねぇっ、鈴木さん!」
とんとん、と肩を叩かれて後ろを振り向くと、そこにはクラスメイトの有坂さんがいた。
「…どうかしたの?」
「…う、や、えっと……。今日、中条先輩来る!?」
またこれか、とうんざりする。
最近、中条先輩のことを聞かれることが増えた。
「…今日は来ないよ」
「そ、そっか…!ありがとう…!」
そう言ってこちらをチラチラと見ていた女子達のもとへと走っていく有坂さん。
いつもと何ら変わりない、平和なお昼休みだった。
───ブーッ、ブーッ、ブーッ……
その時、突如として震えだしたスマートウォッチ。
出動要請だ。
振動音の出処を探しキョロキョロとするクラスメイト達。
私はと言うと、勢い良く椅子から立ち上がる。
一斉に視線がこちらを向けられるけど、気にせず教室を飛び出した。
スマートウォッチを見ると、鬼の出現場所は中庭だということが分かる。
早く倒さないと、取り返しがつかないことになる…!
すぐにでも先輩と合流して……とそこまで考えたところで、ハッとする。
今日、先輩は風邪で休みだ。
私一人で…なんとかするしかない。
私は中庭へと走り出す。