中条先輩、近すぎます。



「彩葉ちゃんって強いんだね」

「そりゃ一般人と比べたら強いと思いますけど…先輩だって私とランクは同じですよね?」

「いやそうじゃなくてさ。彩葉ちゃん、公園着いてすぐ俺に子供たちを避難させてください!って言ったじゃん?」

「確かに、言いましたけど……。それがどうかしたんですか?」

「あれってさ、あの状況で自分より他人の命を優先したってことでしょ?」

自分より他人の命を優先させた……?

「え…?」

意味が分からず先輩の次の言葉を待つ。

「俺が子供たちを避難させるってことは、必然的に彩葉ちゃんは鬼と戦うことになる」

「まぁ、はい……。そうですね」

先輩が何を言いたいのか、さっぱり分からない。

「俺は子供たちを避難させるだけだから、命懸けでもなんでもない。でも、鬼と戦う彩葉ちゃんはそうじゃないでしょ?鬼と戦うってことは、命懸けだからさ」

あぁ、そう言うこと…か。

何となく、先輩の言いたい事が分かった気がした。