中条先輩、近すぎます。


銃弾は鬼の目に命中し、鬼は消えていく。

「はぁ…」


荒い息を繰り返しながら辺りを見回し、しゃがんでいた鬼を視界に映す。

あと、一体…。
 
鬼は、ゆらりと立ち上がり私に向かって走り出してきた。

銃を構え、狙いを定めたその時。


───ドンドン!


「ぐうっ…!!」


私が引き金を引くより先に銃声が響いたかと思えば、鬼は私の目の前で倒れ込んだ。


視線を向けると、そこには予想通りの人物。


「………先輩!」


先輩は、銃を手にしてこちらに向かってくる。


「彩葉ちゃん、遅れてごめん。ケガしてない?」


その表情が真剣そのもので、今の先輩はいつものチャラチャラした先輩とは違う、“防衛隊隊員”の中条李都先輩なんだと思った。


「………いえ…大丈夫です。ケガもしてません。」

「よかった」

二人して倒れている鬼を見る。

その視線に気づいたのか、タイミング良くむくりと起き上がった鬼。

鬼は私たちに背中を向けているため、こちらを見えていないはず。

 今度こそ仕留める…!

先輩と視線を交わし、頷く。

私は助走をつけて鬼の背中を蹴った。

「ぐうっ……!!」

地面に倒れ込んだ鬼。