中条先輩、近すぎます。


───ドンドンドンドン!!!


勢い良く引き金を引く。

身体のあちこちに銃弾が食い込み、苦しそうに地面に膝をついた鬼。

ちらりと辺りを見回すと、もうほとんどの子供達が公園からいなくなっていた。

これなら、後は鬼を倒すだけだけだ。

真っ直ぐに鬼を見据え、銃を構え“目”に狙いを定める。

引き金を引こうとした、その時。


「………っ!?」


鬼は、分裂を始めた。

鬼の身体が真っ二つになり、先程の半分程のサイズの鬼が二体になる。

私はすぐに銃を構え引き金を引く。

しかし、銃弾は片方の鬼の頬をかすめるだけだった。

二体の鬼は同時にこちらに向かって走ってくる。

「……ふぅ」

2体同時に倒すのは厳しいかな。

───ドンドンドンドンドン!!

「ぐぁああぁ…!」

右の方にいた鬼に無事銃弾が連続で当たり立てなくなったのを確認すると、鬼から距離を取るため地面を蹴って走り出す。

しゃがみこんだ鬼から数メートル距離を取ると、私を追い掛けてきたもう一方の鬼めがけて銃の引き金を引く。

───ドンドンドン!!

「ぐ、はっ…」