中条先輩、近すぎます。


箸を持ち直し、今度はウインナーを口に入れた。

クラスの女子達は何事かと次々に教室を出ていく。

鬼でないなら廊下にいるのが何だろうと関係ないので、私はもくもくとお弁当を食べ進める。

食べ進めて行く内に、遠かった廊下のざわめきが近づいてくるのを感じた。

気にせず昨日の残りの肉じゃがを箸で摘んだ、ちょうどその時。


ガラッ、と教室の扉が開けられる音がした。


その音がしたら扉の方を無意識に見てしまうのって、なんでだろう。

少なくとも、それは私だけじゃないようで。

クラスの皆が注目した扉の音の主は──────……。