胸元まで伸びたストレートロングの黒髪を風に靡かせ、数メートル先を見据える。

視線の先には、3メートル程のサイズの“鬼”。

すぐにホルスターから銃を取り出し、構え、引き金を引く。

───ドンッ!

鬼は銃声で私の存在に気がついたようで、とっさに腕を振り上げ、目を隠した。

鬼は急所の目を攻撃すれば、消えるのだ。

知能がないはずの鬼がなぜ目を守るのか。

そんなの簡単。

死にたくないからだ。

それは人間だって同じ。鬼が私達人間を攻撃する限り、私達人間も鬼を攻撃するの
をやめない。


両者は相容れない存在なのだ。


鬼はぐおぉぉぉぉぉ!!と唸り声を上げ、私に向かって突進してくる。



「ふぅ…」

私は短く息を吐き、もう一度銃を構える。

ーーーーーーーードンドン!!