〇めぐみの部屋


めぐみを抱いたまま、部屋の中へ入りベットの上におろす。


九郎「お疲れ様」


めぐみ「こちらこそ・・・(やっと自分の足で地面に立てる・・・まぁ、力入らないから立てないんだけど)」


九郎から目線を逸らしながら思うめぐみ。


九郎「そういえば、制服のままだね」


めぐみ「言われてみれば・・・(さすがに砂埃まみれになったし、着替えたいな・・・)」


九郎の言葉で自分の着ている服を見るめぐみ。


所々ホコリで汚れている。


九郎「着替え、手伝おうか?」


微笑みながらめぐみに顔を近付ける九郎。


めぐみ「っ・・・!結構です!!(さすがに着替えを手伝うって発想に思い至らないでしょ!!なに考えてんの!?)」


九郎「そう?」


そう言って、九郎はめぐみの腰についてあるポーチに手を伸ばす。


そのポーチからお札を1枚取り出す。


取り出した札をめぐみに握らせると、パァァっと光がめぐみを包む。


めぐみ「(・・・あれ、体動く・・・)なにしたの?」


九郎「これ?着替えができるようにしたんだよ。体が痺れてたら身動き取れないでしょ?」


めぐみ「え?(動けるようにできるなら神社前で使えばよかったんじゃ・・・?)」


九郎「じゃあ、僕は帰るよ」


めぐみ「帰るの?」


九郎「帰るよ、さすがに女の子の部屋にずっといる訳にも行かないからね」


そういうと、九郎はめぐみに顔を近づけてめぐみの髪をかきあげる。


そして、優しく音を立てながら額にキスをする。


めぐみ「なっ・・・!?なにすんの!?」


おでこを触りながら後ずさるめぐみ。


九郎「ふふっ・・・じゃ、また明日」


それを楽しげに見ている九郎は、その場を後にする。


めぐみ「(あの人、何がしたいんだろ・・・キスするよ、とか着替え手伝うよ、とか・・・)」


おでこを抑えたままベットにうつ伏せになるめぐみ。


めぐみ「(そんなことされると、あの時キスされたこととか思い出しちゃうんですけど!!)う〜〜〜・・・!!」


ジタバタと足を動かして顔を近場にあったクッションに押し付ける。


〇外


九郎がめぐみの家から出てきて、めぐみの家を見上げている。


めぐみ「う〜〜〜・・・!!」


くぐもった声で聞こえてくるめぐみの唸り声。


それを聞いて、愛おしそうに笑う九郎。