〇神社、境内


九郎「そんなこと言ってる場合じゃないんだ!ルカは強い!めぐみが勝てる相手じゃないよ!」


めぐみ「いや、だ・・・!」


フラフラとしながら立ち上がるめぐみ。


めぐみ「だって、あの人・・・九郎の友達だった人なんでしょ・・・!?戦いたくないんでしょ・・・!?だったら、私が・・・!!」


お札を手に持ち、身構えためぐみ。


そんなめぐみに対して、困ったような笑みを浮かべる九郎。


九郎「・・・そうだよ。僕は彼とは戦いたくない。めぐみのその気持ちはすごく嬉しい。でも・・・ダメ」


九郎は、めぐみの頬に手を添える。


九郎「僕はね、君のことが好きなんだ」


めぐみ「・・・え(九郎が・・・私のことを・・・?)」


九郎「だから、これ以上君が傷つくのは、見たくない。戦いたくないけど、それ以上に、君に傷ついて欲しくないんだ」


呆然とするめぐみに対し、九郎は優しく笑いかける。


九郎「ほら、早く僕にキスをして。・・・君を守りたいんだ」


めぐみを見ながら、甘く囁く九郎。


めぐみ「・・・九郎・・・」


九郎「お願い、めぐみ。僕に君を守らせて」


めぐみ「(九郎・・・私のことを想って・・・)」


悲痛な九郎の目線を受け、めぐみはグッと手に力を入れ握りしめる。


そして、九郎の胸元を引っ張り、背伸びをして優しく九郎にキスをした。


めぐみ「・・・勝って。ちゃんと戻ってきてよ」


九郎「ありがとう」


めぐみからポーチを受け取り、自分につける九郎。


そして、ルカと向き合った。


九郎「大人しく見てるなんて珍しいね。てっきり攻撃されるんだと思ってた」


ルカ「・・・不意打ちすんのは俺のポリシーに反するだけだっ!」


そういうと、ルカは九郎ではなくめぐみに向かって攻撃を放ってくる。


めぐみ「っ・・・!」


九郎「!」


九郎は、めぐみに向かってお札を投げる。


するとお札がキラリと光り、衝撃を覚悟して目を瞑っていためぐみの周囲に結界のようなものが現れる。


めぐみ「え・・・結界?(こんなことできたの?)」


九郎「めぐみを狙うつもりな所悪いけど、この子にはもう傷1つ付けさせないよ」


お札を何枚か手に持ち、キリッとした表情でルカを見つめる九郎。


ルカ「チッ・・・相変わらずめんどくせぇ能力だなぁ!!」


そう言って、ルカが九郎に向かって駆け出す。


九郎も、お札を指に挟むようにして持ち直して振りかぶる。


そして、2人はぶつかりあった。