〇神社、境内


九郎と出会ってから、1ヶ月ほどたった。


毎日のように出てくるもののけ、それをなんとか倒していくめぐみ。


めぐみ「護符(ごふ)よ、その力を持ちて悪しきを滅せよ!」


持っているお札の文字が光だし、クマのようなもののけに向かって投げる。


もののけはお札が当たる直前に、振り下ろした前足がめぐみの目の前に迫る。


九郎「めぐみ!」


九郎がめぐみの腕を引っ張り、攻撃から守ろうと抱き留める。


だが、めぐみの服(パーカー)に爪がかかり、服の胸元が切れる。


その後、もののけはキラキラと光となって消えていった。


九郎「めぐみ、大丈夫!?」


慌てた様子で抱き留めためぐみの肩に手を置きながら声をかける。


めぐみ「だ、大丈夫。服だけが切れちゃったみたい(いつもの事だけど、本当に距離近いな)」


少し照れながらも、切れたところをさするめぐみ。


自分の服を引っ張るようにして切れたところを見る。


めぐみ「(ざっくり切れてる・・・下にインナー着ててよかった)」


九郎「そっか・・・怪我してなくてよかった」


めぐみの左肩に頭を乗せ、抱きしめながら安心したようにため息をつく。


めぐみ「っ・・・(なんで抱きしめられてんの!?)」


九郎「・・・でも服、もう着れなくなっちゃったね」


めぐみ「えっ、ま、まぁ・・・こんだけ切れちゃったらね」


めぐみを抱きしめながらポツリと呟く九郎に、動揺しながらも答える。


九郎「そうだ・・・ねぇ。めぐみ、明日って暇?」


めぐみ「え、暇だけど・・・」


九郎「服破れちゃったから、代わりの服、買いに行こう?」


めぐみのことを見ながらコテンと首を傾げる九郎。


めぐみ「えっ、それは・・・(暇だけど、九郎と一緒に買い物か・・・なんか変に緊張しそうだしなぁ)」


考え込むめぐみ。


九郎「ねぇ、一緒に行こ?・・・だめ?」


めぐみ「っ・・・!?」


めぐみの耳元で甘くささやく九郎、息を飲むめぐみ。


めぐみ「わ、わかった!行く!行くから!!離れて!」


目をつぶりながら顔を赤くしてジタバタと暴れるめぐみ。


九郎「ふふっ、はいはい」


愛おしそうに笑いながらめぐみから離れる九郎。


九郎が離れてから、左耳を押さえて九郎をにらみつけるめぐみ。