〇AM7:30 神社前


学校への登校中。


ショルダーバッグの中にお札の入っているポーチとベルを入れ、肩にかけてひもを持ちながら歩いている。


めぐみ「(昨日色々ありすぎて寝られなかった・・・)ふぁ〜っ」


あくびをしながら神社前を通る。


その時、鳥居の横に少し猫背な女の人がズーンと効果音が出そうなほどうなだれているのが見えるめぐみ。


その人は“人”では無く幽霊で、少し体が薄くなっている。


めぐみ「(あぁ・・・またか。これ、何回目?)」


幽霊が立ってる鳥居の方を見ないように歩くめぐみ。


めぐみ「(さすがに慣れたけど・・・急に出てくるのはちょっとびっくりするからな)」


はぁ、とため息をつきながら歩く。


めぐみ「(それにしても・・・九郎と最初に会った時、最初は霊が転がってきたのかと思ったな・・・)」


九郎「おはよう、めぐみ」


幽霊がいた反対側の鳥居から九郎が現れる九郎。


珍しく学ランを着ている九郎がこちらに近付いてくる。


めぐみ「っ!?く、九郎!?(びっっっくりしたぁ・・・てっきりあそこにいる霊に、声かけられたのかと思った)」


チラッと鳥居を見るけど、さっきまでいた女の幽霊はいなくなっている。


めぐみ「(いなくなってる・・・良かった)」


九郎「これから学校?」


めぐみ「う、うん」


しどろもどろに答えるめぐみ。


めぐみの顔を見てすっと頬に手を伸ばしてくる九郎。


めぐみ「なっ、なに!?」


顔を赤くしながら驚くめぐみ。


九郎「少し顔色が悪いね。体調悪い?」


めぐみ「だっ、大丈夫!ちょっと眠いだけだから!(毎回思うけど、九郎って距離近過ぎじゃない!?)」


九郎「そう?無理しないで。じゃ、また夕方にね」


微笑みながらめぐみの言葉に答える九郎。


そのままめぐみを送り出すように手を振り歩き出す九郎。


めぐみ「(緊張したぁ〜・・・)」


胸に手を当てて一息つくめぐみ。


めぐみ「(九郎、会った時からずっと和服だったけど・・・学ラン着てたし学生なんだ)」


遠くなっていく背中を見つめたあと、めぐみも歩き出す。