〇PM7:00、学校の帰り道

帰宅路をショルダーバックを持ちながらトボトボと歩いている。


めぐみ「やっと終わった・・・委員会の仕事多すぎ・・・」


持っているショルダーバックを肩にかけ直しながら前を見る。


目の前にある神社の階段から和服を着た男、喜多見九郎(きたみ くろう)が転げ落ちてくる。


所々傷があり血も滲んでいて、コンクリートに倒れ込んた男の表情は苦しげにしかめられている。


めぐみ「大丈夫ですか!?」


倒れた男に駆け寄り、その場にしゃがみこむ。


めぐみの声に倒れていた男は目を開ける。


九郎「・・・君・・・は・・・」


掠れた声でつぶやく九郎。


そんな彼に対して、血の出てる腹部にハンカチを押さえつけるめぐみ。


だけど、ゆっくり体を起こした九郎の視線の先にはオオカミのような姿をした大きなもののけが神社の階段の上にいるのが見える。


めぐみ「な・・・なに・・・あれ・・・オオカミ・・・?(あんなのに襲われていたの・・・!?)」


九郎のみる方に視線を上げためぐみがもののけの存在に気付き、顔をひきつらせる。


そんなめぐみの姿を見て九郎は驚きの表情を見せるが、すぐに口元に笑みを浮かべた。


九郎「・・・君ならいけそうだ・・・」


めぐみ「え、それってどういう──」


めぐみが話している最中、頬に手を添えてゆっくり近付き、目を閉じて優しくめぐみの口にキスをした九郎。


めぐみはキスされたことに驚き、目を大きく見開いた。