Dying music 〜音楽を染め上げろ〜







朝6時。眠い…。でも二度寝したらダメ。今日は週に3回の登校日だから。

着替えたあと、顔を洗って髪をとかす。トーストが焼ける匂いにつられ、そのままキッチンへ向かう。


「夏樹、おはよう。」

「雄大さんおはよーございます。」


ざくざくと野菜を切っているこの人。村木雄大。25歳。5年前からここに住んでる社会人。パソコン関係の会社で働いていて機械直したりすることが得意。料理は…


「ッいっで!切った!」


苦手。ザクって音聞こえたけれど.....


「大丈夫ですか?」

「浅いから大丈夫だ。一応、絆創膏くれ。」


このやり取り何回目だろう。6時半を回るとみんな起きだしてくる。


「おはぁよ。」


蓮があくびをする。川上蓮、17歳の高2で僕の1つ上。14歳の時に親の海外赴任をきっかけにここに来た。


「麗華ねぇは?」

「麗華は講義2限からだからまだ寝てるってさ。」


高瀬麗華。20歳。大学生で僕の姉のような人。一昨年に母親の繋がりで来た。小さい頃からよく遊んでたんだよね。そんで、


「あら、今日はみんな早いわね。」

「おはよう、お母さん。」



如月美奈子 42歳。僕の母親であり、この家の母。料理はピカイチ、仕事もできる。



この家は5人で住んでるシェアハウス。みんな大事な家族。でも、シェアハウスだからここにいる全員とは血が繋がっているわけではないんだ。


朝食を済ますと学校に行く準備。本当は制服で行くのがいいんだろうけど着たくないから体操着で行く。まだ肌寒いからなぁ。何か着ていくか。


そう思ってハンガーにかかっていた白のパーカーを手に取る。僕はこの家で一番下だから服とかはおさがりが多い。このパーカーだって蓮のだ。麗華の服はサイズ合わなくてあまり着られないんだよね。


筆箱と、課題と、プリントと…。道具を詰める。次のバスに間に合うかな。





一8時00分。




さて、行くか。