Dying music 〜音楽を染め上げろ〜






家に帰ってマスターのクラブのHPを調べた。Musicstreetのような音楽街は全国各地にある。マスターのクラブがあるストリートはここよりも大きい。だからライブハウスやクラブが多数あり、よくイベントなども開催されているんだ。といっても僕は行ったことないんだけれどね。






ライブアーティスト、マップ、提供メニュー、道順、料金表…あった、スタッフ欄。画面をスクロールして名前を探した。


見つけた。……シュート。スタッフ兼シンガー。年齢…18歳!?僕とそう変わらない。学年でいったら2個か3個上だ。




この年齢層の客はプライベートライブにはいない。じゃあなんで……。店のHPを調べつくしたが、情報は何も出てこなかった。



「一応、調べてみるか。」



ダメ元でYouTubeを開き、店の名前やシュートの名前を入れて検索にかける。すると、客がネットに載せたクラブの映像があった。



概要欄には[シュート、2月16日ステージ。]



クリックしてみるとシュートと思われる人物の歌声が流れてきた。







♪♬~~~~











…………ん?





















もう一度巻き戻して聞く。ノイズやBGMが邪魔して鮮明に聞きとれない。



だけど、この声、聞いたことある気がする。たった15秒ほどの短い動画を何度も再生する。









♪♪♪♬~~…………














…………え?この伸ばし方……。










……確信は持てない。


間違っているかもしれない。


もしそうだとしたらありえないことだ。


えぇ?…どういうことだ。いや、勘違いか?


でも、あっちから声かけてきたってことは、やっぱり……。













師匠にメッセージを送った。








ー『依頼受けます。日時と内容を聞きたいです。』




すぐに返信がきた。






ー『わかった。ただし十分気を付けろよ。シュートってやつは得体がしれないからな。』

ー『はい』



















これは……賭けだ。