Dying music 〜音楽を染め上げろ〜





「あぁ、よかった!全員いた!」


その声に騒ぐのをやめてピタッと止まった。入ってきたのは内田先生。


「みんなに会わせたい人がいるんだ。」


内田先生はそういうと廊下の方に「どうぞ」と声をかけた。


「こんちは~!」


入ってきたのは20代くらいの2人の男性と1人の女性。見た感じ学校の人ではない。涼たちの顔を見るも、知らないと首を振った。先生にしては若いし…誰なんだ?先生は僕らの方を改めて見るとこう言った。



「彼らは君たちが創部する前にあった軽音楽部の卒業生だよ。」


「「「「えぇ!?」」」」


全員びっくりして声を上げた。そ、卒業生?え、創部する前って…何年前だ。



「初めまして!部長でキーボードやっていた蓮井梨華《はすいりか》です。」

「ドラムやっていた水沢慶《みずさわけい》です。」

「ギターボーカルやっていた井上一馬《いのうえかずま》です。」



そう自己紹介をされた。先代の軽音楽部員……ということはOGOB。


先生曰はく、3年前に卒業した人たちで僕らの5つ先輩、廃部前の軽音楽部最後のメンバーだそうだ。内田先生がステージのビデオ撮影終わったあとに話しかけられて、会いたいと言ってくれたらしい。



「風の噂で清条に軽音楽部ができたって聞いて行ってみようってなったんだ。俺たちが最後の代だったから復活して嬉しくてさ。」



井上さんがそう笑顔で言う。



「それより、ステージ見ていたよ。すごいね!めちゃくちゃ上手いし、1年生であんなに弾けるなんてびっくりしたよ!」

「コックピットのラスト2人ともすごかった。たくさん練習したでしょ?」

「ベースもドラムも音しっかり聞こえていたよ!最高だった!」



蓮井さんと水沢さんもそれぞれ言う。その言葉に嬉しさと恥ずかしさで照れてしまう。自分たちの先輩からそんな風に言われて嬉しくないはずがないからな。それからは先生も交えて少しお話した。

蓮井さんたちが1年生の頃は全体で15人もいた大所帯だったらしい。しかし、次年度から入部停止が決まってしまい、自分たちが最後の部員になってしまった。

前まではバンドフェスと文化祭、それに加えてコンテストにも出ていたんだって。今と規模が違いすぎてびっくりだよ。なんと内山先生と連絡先も交換し、何かあったら協力してくれるとのこと。


お礼を言ったあと蓮井さんたちは手を振りながら帰って行った。



「皆さん、最高でしたよ!突然のアンコールにもしっかり対処して…、あれは僕もさすがにびっくりでした…。」


3人を見送ったあと内山先生がそう言う。アンコールが起こったとき先生も焦ってしまい、撮影場所のギャラリーから司会席まで行こうとしていたんだって。やっぱりあれは誰かが仕込んだとかじゃなかったんだ。


「多分会場がみんなの思ったより湧いてしまって、自然とアンコールが起きたんじゃないかな?」


そんなことあるのか。だとしたら僕らマジですごかったんだ。