ハチャメチャ元気な怜斗のベースとボーカル、力強く支える涼のドラム、恭也の静かにアツいレスポールのサウンド、僕の繊細なテレキャスター。この4つが合わさって、呼吸が揃って一つの演奏が成り立つんだ。
お互い安心して音を任せられる。音に自信がある。僕らにしか奏でられない音。清条高校軽音楽部はすごいんだよ。
♪♬♪♪♬♪ーーー
あぁ、もうすぐラスサビだ。僕と恭也はこのパートに命かけてんだ。ミスったら総崩れ。成功したら大盛り上がり。結末はこのどちらかしかない。
もし本番ズレたとしてもそのまま弾く。
恭也とした約束事だ。どっちかがテンポ遅れたらカウントを見計らって合流すること。できるだけ止めないで弾き続けること。
サビ前、最後にアイコンタクトを交わす。
大丈夫。イケる。
「ツインギター夏樹and恭也―ッ!!」
ッ!!
♪♪―♬♪―♬♪♬―!♬
怜斗の掛け声で一斉に入る。
♪♬―!
もっともっと…スウィープとタッピング。
♪♬♪♪♬♪ーーー!
指動け!
♬♪―♪♪―!
最後はカッティング速く、細かく!
♪♬♬♪ー!ーー♪♪
―「おおおおぉぉ!!」
―「あの子たちすごい!」
…♪♬♪♪♬ッ!
体に勢いを乗せて最後の一音を弾き切った。そしてすぐに最後に繋げるために全体の演奏に加わる。
♬♪♬♪♪♬♪!!
「ありがとうございましたー!」
やりきった………!
拍手がずっと続いている。やむ気配がない。
最後の最後、ギリッギリで仕上げたパフォーマンス。微調整もセッティングも何回も相談して、夏休み前から3か月かけて考えたステージ。心臓が速く脈打つ。感動する………、達成感半端ない。最後まで演奏でき、全員安堵の表情を浮かべた。
怜斗が締めるためマイクを構えようとした。
その時だ、――――――
「アンコーーーーッル‼」
