「それでは次の曲に参りましょう!今、絶賛上映中の映画の主題歌。Rusherより、『アクアリウム』です!」
♪♬♪♪~♪♬~♪♪♬
1曲目のGetbeatで上がってくれたのかイントロを聞いた瞬間、観客はさらに大盛り上がりだった。
「アクアリウム」。
ファンタジー映画の主題歌で、サイダーのような爽快感がある曲。ポップで合いの手を入れる箇所もあり、みんなで楽しめる。
♬ッ♪♬ッ!♪♪ッ!♬♪!
アクアリウムは全体的に明るめだが、ドラムとベースの低音域が全体を下から支えているんだ。2曲目のカギは怜斗と涼。
夏合宿で鍛えていた怜斗の力強い低音スラップ。ちゃんと響いている。涼のドラムもテンポ走っていなく、いいビート。
サビ前にドラムソロになる瞬間がある。そこから一気に入るからここはタイミングが命。練習中ミスりまくって怜斗が発狂した箇所ね。さぁもうすぐその場所だ。
――「どうだってさ!」
♪~♪♬♪~!
――「この最高な運命をー届かせたいこの夢をー!」
マジか!ドンピシャヒットじゃん!数ミリもズレなかった。最高っ。涼をチラッと見たら間奏中にしっかりスティック回してやんの。乗ってんねぇ。
それに1曲目よりも心に余裕ができてきた。楽しさで身体が自然に動くようになり、全体でリズムを取る。違うのは演奏だけではない。観客のテンションも明らかに上がっている。
―「いっせーのでっっ!」
―「ハイハイハイハイッ!!!!」
怜斗の掛け声に合いの手がしっかり返ってくるし、盛り上がりの部分では前列の男子がぴょんぴょん跳ねている。みんなが認知している曲でセトリ組んで正解だった。2曲目でしっかりボルテージ上げて、3曲目に繋げるんだ。
「ありがとうございましたーー!」
怜斗の声に、
―「いいぞー1年―!!」
どこからかそんな声も聞こえる。高校生って結構ノッてくれるんだな。もっとシーンとするものだと思っていた。ちょっと五月蠅いくらいだが、バンドステージはこれくらいがちょうどいい。
