Dying music 〜音楽を染め上げろ〜










文化祭当日。




見事な快晴。学校中が装飾されていて、音楽もかかっている。生徒玄関前には各クラスの宣伝看板が立てられており、地域の人、保護者、他校の人も来て大賑わい。


あ、うちのクラスはね、





「あ!夏樹!杉崎くんたち来たよー!」




え、来るのはや。





「どうしたのその恰好!?」



驚く2人に対して彩音が看板を指さして言う。




「うちらのクラスはメイド・執事喫茶でーす!」




そうなんですよ。1年3組は「メイド・執事喫茶」。女子はメイド、男子は執事になりきってお茶やお菓子を提供するんだ。お菓子は学校近くのスイーツ店からを調達、飾りつけは予算削減のために100均で揃えた。それでもクラスの女子パワーでめっちゃ可愛い内装になったんだよ。すごいでしょ?




「夏樹が猫になってる!」




…マジでこれ恥ずかしい。メイド服なんか初めて着た。足元がスースーして落ち着かない。おまけに猫耳カチューシャ付き。僕にとっては拷問に近しい。何より嫌なのはこの格好をコイツらに見られること。



「あれ、涼は?この時間帯に店番って聞いたけど。」




恭也が周りを見渡した。




「!!!!お前ら来たのかよ!」




声のする方を見るとそこには執事ではなく、メイド服を着た涼。その姿を見た2人が堪らず吹き出す。




「あはっはははっっははぁwwwなんで、お、お前がメイドしてんだよ、うわーしんど、ww腹いてぇー!」

「くくっ…なんでっ、、wwあははっww」





冷やかされ赤面する涼。そりゃ笑うよな~。クラスで試着会したときだって、担任含め、全員爆笑だったからね。今日はメイクもしてもらったらしいんだけど、アイシャドウ痛ぇ~って言ってた。



「足立さんに『多賀君と水島君と石塚君は女装ね~』って言われてよ。ほら、あそこに水島いるけど。」




水島君…このクラスでムードメーカーキャラ。今もあっちの席で即席・「萌え萌えキュン」やってる。全力だよなぁ。ありがたいことにさっきからお客さんをたくさん入ってくれていて大繁盛。




「夏樹もよく着ようと思ったな。」



怜斗がそう言う。



「最初は夏樹も嫌!って言っていたんだけど、うちらがゴリ押ししてOKしてもらったの!」






だって普通着るだけで終わると思うじゃん。なのに「はい」って渡されたのが猫耳カチューシャよ。まさか猫耳まで付けるとは思わないだろ。マジで。




「じゃあ、『ご主人様~』とかも言うの?w」



怜斗が笑いながらからかってきた。


「言うわけないだろ!ほらさっさと席座れ!」


こんなところで立ち話していてもお客さんは入って来るんだから。