…人の心を動かすような音楽をしたい。
自由に楽しみたい。
自分がやりたい演奏を怖がらずに、嘘つかずに楽しみたい。
それが僕のやりたい音楽。
ここで、みんなに想いを届ける。
「アンコールなし、1曲に全部乗っけます!聞いてください、『生き様』!」
音のイメージ、流れ、アレンジ、音ハメ箇所、全体像。…全部頭の中に出来上がっている。それにその場で随時エッセンスを加えながら弾くだけだ。
かき鳴らせ。
パッとステージが暗転したその瞬間、雷鳴のような音を鳴らす。
♪♬♪~!!♪♪~!♬♪!!
「生き様」。
色々悩みが多い昨今、会社に学校に自分を押し殺して生きる日々。そんなの全部吹き飛ばしてやろうよって曲だ。アップテンポで爽快ロック。ストレス解消にはもってこい。Cyanとして歌うのはステージも動画も含めて初めてだ。エフェクターは好きな歪みが入っているやつ。
小さいときはボタンやらスイッチやら何押せばいいか分かんなかったよ。エフェクターは種類を間違えればその曲の良さを潰しかねないからな。でも今はその曲に何が合うのか判断できる。
――「転んで弱ってもまた立ち上がって」
――「苦しいよな?辛いよな?」
――「他人に人生決められてたまるか!」
上手くなりたいから練習した。たくさんの人に聞いてもらいたかった。自分の音楽の色を知りたかった。音楽のせいで嫌な思いもした。こんな世界に足を踏み入れなければよかったって思ったことも何度もある。
歌い手活動においてもアンチコメントたくさんあったし自身のスタイルに迷うときもあった。ギターか歌、どっちかに絞った方が効率がいいんじゃないかって。
それでも、やめなかった。やめれなかった。
だって面白いんだもん。
一つ山を越えた先に新しい景色があるように、一つクリアするとその分新たな可能性を生み出すことができたから。この身で感じて学んだことすべてを成長材料にしたんだ。
――「何度も転んで起き上がった」
――「その先にある未来が見たくて」
――「人生ハードモードなんて余裕さ」
手が攣ってもいい。荒くなってもいい。
がなりもいつもより強く入れてしまおう。
楽しい。
みんながあっと驚くような音作りとアレンジを組み込んで、サビ前でヘッドピーンを入れてギア上げ。
―「わぁぁぁあ!!!」
この一音に観客が騒いだ。
オクターブ奏法のときはミュートを意識すると綺麗に聞こえる。タッピングは一音一音しっかり鳴らす。
教えてもらったこと、自分で学んだこと。全っ部組み込んでしまえ。
「個性」は「我儘」だ。
そう思ってきた。
でも、これが僕のやり方で、僕の生き方で、
誰にも邪魔されない、限界を決められない
自分が自分であり続けるための手段だ。
気持ち悪い?勝手に言ってろ!(笑)僕はこういう演奏がしたいんだ。一度聴いたら脳裏に焼き付くくらい、忘れられないような音を奏でたい。
♪♬♪♪♬♪ーーー!!
楽しいっ、
にやけてしまうほどに楽しい。お客さんが手を挙げて騒ぐ。
あぁ、もっと騒いで。
僕の音を聞いて!
♪♬♬!♪ーー♪♪ー
――「見て欲しいんだよこの勇姿を!」
ばちっ。後ろにいる3人と目を合わせた。自然と表情が柔らかくなる。
涼、恭也、怜斗。音の居場所を作ってくれてありがとう。
僕はね、音楽が大好きなんだ。
みんなで作り上げる音楽が大好きだよ。
――「コレが僕なんだ!」
