Dying music 〜音楽を染め上げろ〜





そんな中、悪夢が始まった。





「え……」

「夏樹~どうしたの~?」





そう覗き込んでくるのはバスケ部のチームメイト。



「靴が、なくて。」



持ってきていたはずのバスケシューズが消えていた。朝練の時はあったのに。



「え、朝履いていたよね?」


他の子も集まる。


「…今日は内履きで出る。ごめんね。」


中学2年生の6月くらいから物が急になくなるようになった。はじめは靴、筆箱。それから教科書。そしてそれらは大概、ごみ箱から見つかった。



「信じられない…。夏樹心当たりある?」



チームメイトの子たちが言うも、あるわけがない。

こんなこと誰が?なんのために?

僕、何かした?

頭の中で考える。2.3回ならただのいたずらだと思う。だけどこれでもう5回目だ。




「夏樹大丈夫?最近マジでやばくない?」

「なんかあったら言ってよー?」


チームメイトの子たちはそう声をかけてくれた。物がなくなったときも最後まで探してくれた。学校も行きたくなかったけれど、友達やチームメイトがいてくれるから頑張って行った。でも、








「…………何これ。」










教室に行って目にしたのは机に書かれた大量の落書きと切られた体操着。





「消えろ。」

「髪染めてんだろ。」

「ギター自慢。」

「クズ」

「死ね」

「消えろ」

「うざい」

「男好き」






心無い言葉で埋め尽くされていた。さすがに動揺した。これはいたずらじゃない。




―いじめだ。




クラスのみんなじろじろとこちらを見ている。





「ねえこれ誰……      体操着切った人。」












周りに聞くも誰も答えない。



教室には予備の机がなかったから、消しゴムでその落書きを消した。




誰?本当になんで?





見えない恐怖に怯えながら生活した。心当たりは全くない。理由も分からない。

いじめが始まって1か月。担任の先生に言ったことでちょっとした騒ぎになった。クラス集会か開かれたあと、嫌がらせが止まった。やっと、やっと終わったと思った。













思ったのにー