「………はい?」
「だからお前の家にこいつら泊められるかって聞いてんだ。」
いや、聞こえなかったんじゃなくて内容に驚いて聞き返したんですけれど。…じゃなくて、
「と、泊まる⁉」
「ここから一番近い家は夏樹の家だ。俺も今日は車で来ているからそこまでなら送り届けられる。」
僕の家、車だったら30分くらいか。でも、
「師匠はどうするんですか?」
「俺の家は反対方向だから送ったらすぐ帰る。緊急事態だ。美奈子に電話してくれ。」
「わ、わかりました。」
お母さんに確認したところ、家的には問題はない、と。ただし、シェアハウスだということと僕とお母さん意外にあと何人いるのかをしっかりと伝えてほしいと伝言をもらった。その旨を伝え、3人に確認を取った。
「よし、お前ら親御さんに連絡したら荷物まとめろ。20分後には出るぞ。」
涼たちには楽器の片付けと簡易清掃だけ任せて、僕と師匠の2人で電源と空調、戸締りを全部確認した。停電で冷蔵庫の電源も落ちちゃったからいらない食材は処分だ。万が一のことも考えて、窓ガラスを養生テープで保護。
裏口と正面入口を施錠後、みんなで離れの駐車場へ向かう。
雨凄いな。本当に周りの音が聞こえない。傘もさせないくらい風も強い。車まで走っただけなのにもうびちゃびちゃ。
師匠はエンジンをかけると、大嵐の中、車を走らせた。
