足が寒い。

靴がないから、なにか履物がほしくて、靴下のまま学校へ向かう。

まだ、校門は開いているだろう。

固いアスファルトは靴下越しには痛くて、怪我をしないように慎重に歩いた。



校門はまだ開いててホッとしながら自分の靴箱へ向かう。

何もないよりはマシだと、上靴を履いた。

靴箱にいると話し声が聞こえてきた。

男子数人の声だ。

ちらりと覗いてみたら、頭はカラフルで柄が悪い。

一目で白虎のメンバーなんだと推測した。

見つかりたくなくてその場から走り去る。

その走り去る影を白虎のメンバーたちは見逃していなかった。


校門から出て、しばらく走ったところでまた歩き出す。

走るなんて久しぶりで、息があがる。

でもあまり休む暇はなくて。

もうじき夜だから、人気のないところや暴走族の倉庫付近は危険になる。

この辺りも、門が閉まれば真っ暗で危なくなるだろう。

この街には白虎を始めとする多数の暴走族が共存しており、小さなトラブルが絶えない。

人目のある方が安全に過ごせそうだ、と繁華街へと歩みを進めた。